2017年10月06日
<VXの女たち・法廷編>初公判 首謀者特定せず実行役糾弾
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム=当時45歳)が殺害された事件の公判が行われるマレーシア・クアラルンプール郊外の高等裁判所は、小高い丘の上にある。10月2日午前8時3分、急な坂道を勢いよく上ってきた護送車が庁舎の正面ロビーに横付けされた。
相次いで降りてきたのはベトナム人のドアン・ティ・フオン(29)とインドネシア人のシティ・アイシャ(25)。金正男氏殺害事件で起訴されてから7カ月。やつれて、目はうつろに見えた。防弾チョッキ姿で手錠を後ろ手にかけられ、正面玄関への階段を足早に駆け上がった。階段は、死刑台への階段と同じ13段。
マレーシアでは、2人が起訴されている計画的な殺人の罪で有罪になれば死刑が下る。2人の母国のベトナムとインドネシアでは「北朝鮮工作員にだまされただけ」と無実を信じる世論が大勢だ。
ムハマド・イスカンダル検事は冒頭陳述で、2人に殺意があったと糾弾を始めた。
「(猛毒の神経剤)VXを顔や目に塗った。被害者を殺害、もしくは死に至るけがをさせる意図があった」「(逃走した北朝鮮の)4容疑者によるいたずらビデオの撮影だったと説明しているが、殺害する意思を共有していた」「証拠や専門家の証言に基づき、4容疑者とともに殺害したことを明らかにする」
4容疑者とはリ・ジェナム(56)、ホン・ソンハク(33)、オ・ジョンギル(55)、リ・ジヒョン(32)。いずれも北朝鮮の外交官や政府機関の職員とされる。氏名は事件発生直後の記者会見で公表され、国際刑事警察機構(ICPO)のサイトにも載っている。しかし検察は冒頭陳述ではなぜか、4容疑者の氏名を特定しなかった。
「起訴内容が不明確だ」。4容疑者の氏名を明らかにするよう弁護側はすぐさま異議を申し立てたが、アズミ・アリフィン裁判官は棄却した。
2人の背後に北朝鮮の組織的関与があるのか。事件の全容解明が注目されるなか、計画を指示した首謀者を特定しないまま実行役を追及するという波乱含みのスタートとなった。【クアラルンプール平野光芳】
×
金正男殺害事件の公判が2日、始まった。法廷で浮き彫りになった事実や事件の背後にある構図を追う。=随時掲載、敬称・呼称略
相次いで降りてきたのはベトナム人のドアン・ティ・フオン(29)とインドネシア人のシティ・アイシャ(25)。金正男氏殺害事件で起訴されてから7カ月。やつれて、目はうつろに見えた。防弾チョッキ姿で手錠を後ろ手にかけられ、正面玄関への階段を足早に駆け上がった。階段は、死刑台への階段と同じ13段。
マレーシアでは、2人が起訴されている計画的な殺人の罪で有罪になれば死刑が下る。2人の母国のベトナムとインドネシアでは「北朝鮮工作員にだまされただけ」と無実を信じる世論が大勢だ。
ムハマド・イスカンダル検事は冒頭陳述で、2人に殺意があったと糾弾を始めた。
「(猛毒の神経剤)VXを顔や目に塗った。被害者を殺害、もしくは死に至るけがをさせる意図があった」「(逃走した北朝鮮の)4容疑者によるいたずらビデオの撮影だったと説明しているが、殺害する意思を共有していた」「証拠や専門家の証言に基づき、4容疑者とともに殺害したことを明らかにする」
4容疑者とはリ・ジェナム(56)、ホン・ソンハク(33)、オ・ジョンギル(55)、リ・ジヒョン(32)。いずれも北朝鮮の外交官や政府機関の職員とされる。氏名は事件発生直後の記者会見で公表され、国際刑事警察機構(ICPO)のサイトにも載っている。しかし検察は冒頭陳述ではなぜか、4容疑者の氏名を特定しなかった。
「起訴内容が不明確だ」。4容疑者の氏名を明らかにするよう弁護側はすぐさま異議を申し立てたが、アズミ・アリフィン裁判官は棄却した。
2人の背後に北朝鮮の組織的関与があるのか。事件の全容解明が注目されるなか、計画を指示した首謀者を特定しないまま実行役を追及するという波乱含みのスタートとなった。【クアラルンプール平野光芳】
×
金正男殺害事件の公判が2日、始まった。法廷で浮き彫りになった事実や事件の背後にある構図を追う。=随時掲載、敬称・呼称略
2017年10月04日
ヘリ墜落事故 有罪判決の操縦75歳男「今後も操縦する気ある」
兵庫県三木市のレジャー施設で2015年、ヘリコプターが墜落して乗員2人が重軽傷を負った事故で、ヘリを操縦し、業務上過失傷害などの罪に問われた大阪府四條畷市の無職中山儀光被告(75)の判決公判が4日、神戸地裁であった。倉成章裁判官は「操縦かんの適正な操作を怠った過失は大きい」とし、禁錮1年6月、執行猶予3年、罰金50万円(求刑禁錮1年6月、罰金50万円)を言い渡した。
判決によると、15年6月7日午後1時半ごろ、三木市の施設内の野球場で、技能審査を受けずにヘリを操縦し、無許可で離陸。飛行中の安全確保を怠り、ヘリを2〜3メートルの高さから墜落させ、同乗男性(52)に左肩骨折の重傷を負わせた。
同被告は7月の公判で「ヘリの操縦は私の人生で最もやりたかったことで、今後も操縦する気はある」などと述べた。同裁判官は「被害者への謝罪を誠実にし、軽率な行為を反省して二度とこのようなことがないように」と説諭した。
判決によると、15年6月7日午後1時半ごろ、三木市の施設内の野球場で、技能審査を受けずにヘリを操縦し、無許可で離陸。飛行中の安全確保を怠り、ヘリを2〜3メートルの高さから墜落させ、同乗男性(52)に左肩骨折の重傷を負わせた。
同被告は7月の公判で「ヘリの操縦は私の人生で最もやりたかったことで、今後も操縦する気はある」などと述べた。同裁判官は「被害者への謝罪を誠実にし、軽率な行為を反省して二度とこのようなことがないように」と説諭した。
2017年10月03日
逃走のベトナム人、無免許運転で起訴
大泉町で警察官が現行犯逮捕しようとした男が逃走した事件で、前橋地検は2日、道交法違反(無免許運転)の罪で、ベトナム国籍のグエン・バン・ハイ容疑者(31)を起訴した。
起訴状によると、ハイ被告は8月31日午前11時5分ごろ、大泉町で乗用車を無免許運転したとしている。
ハイ被告は職務質問した警察官の腕にかみつくなどして逃走し、9月1日夜に公務執行妨害の疑いで逮捕された。前橋地検は、公務執行妨害と傷害の送検容疑について処分保留とした。
起訴状によると、ハイ被告は8月31日午前11時5分ごろ、大泉町で乗用車を無免許運転したとしている。
ハイ被告は職務質問した警察官の腕にかみつくなどして逃走し、9月1日夜に公務執行妨害の疑いで逮捕された。前橋地検は、公務執行妨害と傷害の送検容疑について処分保留とした。
2017年10月02日
金正男氏殺害の初公判 容疑者2人は無罪主張
北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が今年2月に殺害された事件で、実行犯として殺人罪で起訴された女性人2人の初公判が2日、マレーシアの首都クアラルンプール郊外の裁判所で始まった。両被告は共に、無罪を主張した。
正男氏は2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で搭乗を待つ間に、猛毒の神経剤「VX」で殺害された。国連が大量破壊兵器に分類するほどの猛毒を衆人環視の中で使った白昼堂々の犯行は、世界に衝撃を走らせた。正男氏は空港係員に異変を訴え、空港内の診療所に運ばれたが、数分後に死亡した。
ベトナム人のドアン・ティ・フォン(29)とインドネシア人のシティ・アイシャ(25)の両被告が、VXの入った液体を正男氏の顔にこすりつけたとされている。
一方の2人は、北朝鮮の工作員にだまされ、テレビ番組のためのいたずらだと思っていたと主張した。
北朝鮮政府は一切の関与を否定しているが、マレーシアの捜査当局は、北朝鮮国籍の男4人が同じ日にマレーシアを出国したと指摘。この4人が北朝鮮の工作員で、殺害に関与したとみている。
北朝鮮とマレーシアは事件以前は友好関係を築いていたが、この事件を機に互いの大使を国外退去させるなど、関係に亀裂が走った。
初公判の様子
8カ月前の事件について、殺人罪で起訴されたのは女性2人のみ。AFP通信によると、うなだれた両被告は手錠をはめられ、防弾チョッキを着けた状態で、クアラルンプール郊外シャーアラムの法廷前に集まった記者団の前を歩いて通り過ぎた。
インドネシア語とベトナム語の起訴状朗読の後、2人は通訳を通じて罪状認否で無罪を主張した。
有罪となれば2人は死刑判決を受ける可能性がある。弁護団は、2人はだまされたに過ぎず、真犯人は出国した北朝鮮工作員たちだと主張するものとみられる。
しかし、検察官は冒頭陳述で、逃亡した北朝鮮の男性4人だけでなく、この女性たちにも殺意があったと立証する方針を明らかにした。
正男氏は殺害時、満45歳。マレーシアで事実上の亡命生活を送り、中国政府と何らかのつながりがあるとみられていた。
異母弟の正恩氏に後継者争いで敗れたものの、依然として正恩氏の最高指導者の地位を脅かす存在だったため暗殺されたという説もあるが、多くの専門家はこれを否定している。
(英語記事 Kim Jong-nam murder: Women plead not guilty in Malaysia trial)
正男氏は2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で搭乗を待つ間に、猛毒の神経剤「VX」で殺害された。国連が大量破壊兵器に分類するほどの猛毒を衆人環視の中で使った白昼堂々の犯行は、世界に衝撃を走らせた。正男氏は空港係員に異変を訴え、空港内の診療所に運ばれたが、数分後に死亡した。
ベトナム人のドアン・ティ・フォン(29)とインドネシア人のシティ・アイシャ(25)の両被告が、VXの入った液体を正男氏の顔にこすりつけたとされている。
一方の2人は、北朝鮮の工作員にだまされ、テレビ番組のためのいたずらだと思っていたと主張した。
北朝鮮政府は一切の関与を否定しているが、マレーシアの捜査当局は、北朝鮮国籍の男4人が同じ日にマレーシアを出国したと指摘。この4人が北朝鮮の工作員で、殺害に関与したとみている。
北朝鮮とマレーシアは事件以前は友好関係を築いていたが、この事件を機に互いの大使を国外退去させるなど、関係に亀裂が走った。
初公判の様子
8カ月前の事件について、殺人罪で起訴されたのは女性2人のみ。AFP通信によると、うなだれた両被告は手錠をはめられ、防弾チョッキを着けた状態で、クアラルンプール郊外シャーアラムの法廷前に集まった記者団の前を歩いて通り過ぎた。
インドネシア語とベトナム語の起訴状朗読の後、2人は通訳を通じて罪状認否で無罪を主張した。
有罪となれば2人は死刑判決を受ける可能性がある。弁護団は、2人はだまされたに過ぎず、真犯人は出国した北朝鮮工作員たちだと主張するものとみられる。
しかし、検察官は冒頭陳述で、逃亡した北朝鮮の男性4人だけでなく、この女性たちにも殺意があったと立証する方針を明らかにした。
正男氏は殺害時、満45歳。マレーシアで事実上の亡命生活を送り、中国政府と何らかのつながりがあるとみられていた。
異母弟の正恩氏に後継者争いで敗れたものの、依然として正恩氏の最高指導者の地位を脅かす存在だったため暗殺されたという説もあるが、多くの専門家はこれを否定している。
(英語記事 Kim Jong-nam murder: Women plead not guilty in Malaysia trial)